株式会社長寿会
管理者 1名介護従業者 12名
利用定員1 9名
利用定員2 9名
認知症である要支援者を共同生活を営む住居で、介護予防を目的として、
介護その他の日常生活上の支援や機能訓練サービスを行っている。
2011年3月11日の東日本大震災により、津波により被災され、
現在は、仮設のグループホームにて活動されている状況。
グループホームは2棟あります。 こちらは訪問当時、入居者さんがいらっしゃらなかった棟です。 料理教室はこちらの棟で行いました。 |
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実はこちらの仮設グループホームは、 公園の中に設置されていました。 奥に見える建物は学校です。 公園内には、別のグループホームの仮設がいくつかありました。 |
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公園の様子です。子供が全くいませんでした。 静かな雰囲気ですが、夜になると真っ暗で、11月上旬と言うのに底冷えの寒さでした。 |
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こちらが、主に入居者さんがいらっしゃる棟です。 本当に寒さを凌ぐことが出来るのか、疑問が残りました・・・ |
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入居者さんと一緒に、ちらしずしを作りました。 やはり昔の経験が蘇ってきたのか、酢飯を混ぜる方と、紙皿で扇いで酢飯を冷ます方と、すぐに業務分担が出来、率先して行っていただきました。 奥に写っている男性は、慣れた手つきでお椀に吸い物の具を盛り付けていらっしゃいました。 料理教室は女性向けと思われがちですが、男性にも喜んでいただけました! |
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米1升を炊きましたので、量はあります。 酢飯を混ぜるにも力が要る作業です、お二人ともご高齢ですが腕力があり、均一に混ぜていただけました。 立ち仕事ですが、安定して体重を腕先にかけるようにして、本当にお二人とも頼もしかったです。 |
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既にちらしずしと吸い物、煮物、果物を完食していただいた様子。 完成した様子を撮影する間もなく、みなさんおいしいと言って、召し上がってくださいました。 石巻の食材を使用し、出汁や味付けも現地の方に教えていただきながら調理しました。 やはり自ら料理したものは、完食者が続出いたしました。 スタッフの方にお話しを伺ったところ、普段の喫食量よりも多いとのことで、ホッといたしました。 |
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奥に写っている男性は、ミキサー食の方でしたが、増粘剤は不使用で、少ない水分でミキサーにかけたものを召し上がっていらっしゃいました。極きざみに近い食形態です。 食形態を決めるのも様々ですね。病院ではVF検査を実施し、医師・看護師・介護福祉士・ST・栄養士と様々な方が評価をし決定していましたが、グループホームでは状況を見ながらと言うのも多いようでした。 もう少し時間があれば、ミキサー食の方に併せてスペシャルな嚥下食をご紹介できたのに〜と個人的に悔やみました・・・ |
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こちらは、普段みなさんがいらっしゃる食堂です。 昼食後にゆっくりと過ごしていただきました。 右側のテーブルの方達は、洗った食器を拭いていただいたり、新聞やチラシで折り紙をやるなど、活動的でした。 |
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おやつのソフトおしるこを召し上がっている様子です。 お餅ではなく、うるち米を軟らかめに炊き、あたり鉢で半殺ししたごはんをひとくちにいたしました。 |
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ソフトおしるこは大好評で、お昼にちらしずしをいっぱい召し上がった方も、完食していただきました。 | |
誤嚥を避けるため、おしるこの水分は少なめに仕上げました。 ぜんざいに近い状況ですが、あくまでも自然な甘さに仕上げ、小豆のおいしさを前面に出しています。 けしのみを最後にちらし、普段とは違った特別な食べ物の様な雰囲気を出しています。 |
グループホームを管理されているのはお一人、介護支援専門員の阿部安子さんです。
阿部さんはとても気さくな方で、初めてお会いさせていただきましたが、震災当日の話や、現状を詳しく教えていただきました。
阿部さんの言葉の中でとにかく印象深かった事は、「少しでも多くの方に現状を知ってほしい。
ボランティアにきてくれた方には、状況を見ていってほしい。もぉ〜ホントにボランティア活動しなくてもいいから、見てって!!」 と笑顔で仰られていた事です。
被災地に行き、私が勇気づけられてしましました。
一番私がしなければならないこと、それは震災を忘れてはいけない、多くの方に伝えていかなければいけないと感じました。
グループホームが津波で被災されてからは、宿泊型研修施設などを転々とされたそうで、
栄養士不在の中、食事管理など困っていらっしゃいました。
今回は、多くの方のご協力をいただき、約2カ月分の献立を提供する事が出来、
こちらの内容を基に今後は、阿部さん中心となり献立を作成されるそうです。
と言うことで、グループホームの被災状況と言うよりは、被災地の状況をお伝えしたいと思います。
以下の写真は、女川・鮎川などの被災状況を撮影したものです。
阿部さんのご家族に案内していただきました。
みなさん口をそろえて、「前は○○だった」「前は□□だった」と“前は”と言う言葉をつかっていらっしゃいました。
私たちからすると、前=震災前と考えてしまいますが、阿部さん達は、前=震災直後を指していました。
この感覚のずれは、被災していない私たちだからこそ感じる事なのかもしれません。
そして、月日が経つと共に、被災された方々は着実に前に向かって歩み始めていらっしゃいました。
私たちは、震災直後の気持ちのままで、何も進んでいないことに気付きました。
私たちが感じていない・気づいていないだけで、ずっとずっと私たちよりも強く・生きぬいている現地のみなさんに、
本当に脱帽です。
また、阿部さんのご主人が仰られていた言葉、「人は一人じゃ生きていけない。ボランティアの方は、ほんとにありがたい。」
震災後、人のあたたかさ・優しさがとても重要だったと何度も仰っていらっしゃいました。
被災地の深刻な状況は、テレビや新聞のマスメディアでは取り上げられてはいますが、
被災地のみなさんは前に向かって既に進んでいます。
今回のボランティア活動を通し、今私たちがやらなければならないことをもう一度見つめ直すべきだと感じました。
■NPO法人 高齢者・障がい者の旅をサポートする会
理事長 久保田牧子様
会員 鹿島様ご夫妻
■元実践女子短期大学 教授 山本初子様
■レシピ提供:株式会社タス様
その他多くの方にご支援・ご協力をいただき誠にありがとうございました。